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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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「ファウンダー」・・・創業者、創設者のことです。
 企業研究をする際、脈々と受け継がれてきた歴史の中の「DNA」を探るのもたいへん興味深いのですが、「ファウンダー」の創意や思いに触れるのも、「アサザイ」を続けていくなかで実に楽しみにしているところです。

 9月17日放送の「アサザイ 今日の1社」では、ワイヤレスゲート(9419・東証マザーズ)の代表取締役兼ファウンダー、池田武弘様にお越しいただきました。
 池田様の名刺には、代表取締役に加えて「ファウンダー」という肩書きが記されていまして、創業から10年以上を数えた現在にあっても「創業」に対しての熱い思いを感じます。

 ワイヤレスゲートは、今回が「アサザイ」4回目の出演となりますが、常に新しい取り組みについてお話をいただいています。
 まさに「第二創業期」ともいえる今回、また井上哲男がさまざまインタビューさせていただきました♪

 放送とあわせて、取材後記をどうぞお読みください!

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取材後記

ワイヤレスゲート(9419)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役兼ファウンダー(創設者)の池田武弘様

 

「イネーブルすること」

 
▼「環境イネーブラー事業」

 2012年7月の上場以来、機関投資家、個人投資家を問わず注目度の高いワイヤレスゲート。上場されてすぐにご出演頂き、「2012年組のイチオシ企業」とご紹介させて頂いたが、その後の業績の堅調さ、IR・事業開示姿勢、株主還元姿勢を見るにつけ思う。もっと強い表現にしておけば良かったと。。。 「アサザイ」への出演は、特別番組を含めて4回目であり、最多出演となる。この回数は、同社の事業展開についてキャッチアップするために必要な回数であったと思う。

 

 今年の1月にご出演頂いた際に語られたのが新規事業である「環境イネーブラー事業」についてであり、銀座商店街や秋葉原で既に導入されている。

 これは、同社の顧客という位置になる全国のシステムインテグレーターが商店街や自治体などの最終顧客に向けてWi-Fi環境を構築するサービスであり、最終顧客は、自らのエリアで情報を発信できることになる。この部分までは形こそ異なるが同等のサービスを提供する会社が存在するが、ここからが違う。

 Wi-Fi環境を構築する際に、最終顧客は補助(助成)金を利用することが出来るが、その後のランニングコストは負担しなくてはならない。この部分を、同社の「人の流れ」に関する統計データの解析処理技術が、最終顧客に「広告収入」をもたらす可能性を提供するのである。

具体的に述べると、そのエリアに来た人が今月何回目なのか、そのエリアの広告を見た人が実際にそのお店に向かった率はどのくらいなのかという広告業界の永遠の課題である費用対効果計測に役立つ画期的なデータを提供することが可能であり、これにより広告収入が得られた場合、最終顧客のコスト軽減に役立つのである。既に広告業界最大手の電通が同社とこの部分で連携している。

 

 日本を訪れた外国人観光客の日本に対する不満の第1位はダントツで「Wi-Fi環境の不整備」である。池田氏はこの設置可能件数として「全国で500万アクセスポイント」と述べた。私はこの設置について、商店街などの商業施設だけでなく、自治体に積極的に進めて欲しいと個人的に強く思う。同社はそのスマホがどの国(エリア)から来たのかということまでも解析できる。日本に自然災害が多いということは、避けて通れない事実であり、緊急に避難などが必要な場合に、そのスマホの持ち主に対して、その国の言語で情報が届けられる環境を整備した国になって欲しい。相対的な治安の良さなど、通常の生活における快適さだけが「おもてなし」ではない。非常の際、困った際に、どこまで安心や安全を届けられるのかも、隠れた、重要な「おもてなし」なのだ。

 
▼2つの新規事業

 12月決算の同社。1月に番組の中で、この環境イネーブラー事業について語るとともに、池田氏は「今年を第二創業期と位置づけ」と述べたが、その意味がとても深いものであったことを私は痛感している。その言葉は「今年、これからワイヤレスゲートが向う、新しい方向性を示します」ということであったのだ。

 

 「環境イネーブラー事業」以外に同社が今年リリースした新規事業は2つ。「M2M/IoTソリューションビジネス」と「LTE領域のSIM関連サービス」である。

 「M2M/IoTソリューションビジネス」はその第1弾として、「クラウド型みまもりサービス」を発表した。これはマットレスや布団の下に敷くだけで、寝ている人の心拍数や呼吸数が計測できる薄いマットを開発した会社と協業し、クラウドを利用することによって、そのデータを離れた場所でもモニタリングできるサービスである。N・フィールドとの提携も発表され介護事業における同サービスが人命という最も大切な部分を助けることに寄与することを願うが、同社が本格的に介護事業に進出するわけではない。

 方向性として示したのは、後半の「IoTソリューションビジネス」という部分である。IoT(インターネット オブ シングス=モノをインターネットにつなぐということ)は情報(インターネット)機能をモノが持つことによる大きな可能性のビジネスである。ここからは私説であるが、自動販売機がそうなれば、数が減少しているモノだけを補充すれば良く、流通の効率性が高まる。冷蔵庫の中が見られるなどのデジタル家電の発想を全てのモノに応用することである。私説をさらに展開すると、そこにWi-Fi環境があれば、いつもこの商品を買っている人が新製品を買ったということさえ同社の技術で解析可能であろう。

 

 もう1つの新規事業である「LTE領域のSIM関連サービス」は9月のサービス開始前の7月からSIMカードの予約販売を開始して大きな反響をよんだが、ドコモ社のLTEを利用する「ワイヤレスゲート Wi-Fi + LTE SIMカード」の最低価格は月額480円。「ワイヤレスゲート Wi-Fi」が月額390円であることを考えると、90円でLTEが利用できることになる。そして、ヨドバシカメラによって、同社のサービスを利用した業界最安値スマホ(月額979円から)の販売も実現した。

 

 もう既にリスナーの方はご存知であろう主業の「ワイヤレス・ブロードバンド事業」(どのキャリアでも関係なくWi-Fiスポットで快適なインターネット環境を得ることができる「ワイヤレスゲート Wi-Fi」事業とWiMAXとの連携である「Wi-Fi + WiMAX」事業)の好調さは維持しており、3ヶ月で2万人の会員純増ペースとなっている。

 
▼「善なるもの」

 スプリングキャピタル社の経営指標ランキングは3279社中、8月基準で27位。5月の31位からさらに4位順位を上げた。5つの大項目のうち、突出して高いのは、「成長性」、「資本利益率(ROE・ROA)」、「健全配当性向」の3項目である。

 

 「第二創業期」である今年、ワイヤレスゲートが示した新たな事業の方向性がお分かり頂けたと思うが、私はこの会社が事業を立ち上げる際に、一つの確立した選考基準があるように思う。それは、まず第一に、「それが社会にとって"善"なことなのかどうか」という選別である。"善"であった場合に、その事業の普及のために抱えている問題は何なのか、その問題は同社のプラットフォームを提供することによって解決できるのかを真摯に考えたうえで、借り入れている"貴重な"通信インフラを利用する決断を行っているのである。

 

 「イネーブラー=実現する者」を標榜する同社。投資家の人気がとても高い同社であるからこそ、投資家の方にまず理解して頂きたいのが、この「実現したいことは"社会善"」ということである。創業以来、いや、創業前から池田氏が持ち続けているこのDNAの部分をこの会社が失うことはない。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 社会の課題を解決するために「創業」を続けるワイヤレスゲート。今後のキャッチアップもこまめにしていくことが必要と思います!

 また来週の「今日の1社」も、お楽しみに~。


(関連リンク集)
■ワイヤレスゲート 投資家情報
■2014年5月8日付ニュースリリース LTE領域のSIM関連サービスおよびソリューションの拡充に関するお知らせ(PDF)
■2014年7月1日付ニュースリリース LTE通信対応のSIMカード販売開始について(PDF)
■2014年8月1日付ニュースリリース LTE領域のM2M/IoTソリューションの第1弾「クラウド型みまもりサービス」の販売開始について(PDF)
■ワイヤレスゲート 2012年10月17日放送「今日の1社」の取材後記
■ワイヤレスゲート 2014年1月15日放送「今日の1社」の取材後記

代表取締役兼ファウンダーの池田武弘様と。
代表取締役兼ファウンダーの池田武弘様と。