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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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ブラジルワールドカップが終わり、日本代表監督であったザッケローニ氏が日本を去ったのが、7月1日のこと。
 空港には日本代表の中心選手も駆けつけるなど、同氏の人望が厚かったことがあらためてわかりました。

 なぜ、「ザック」が愛されたのか。それはやはり、同氏が日本を愛していたからだ、と思うわけです。
 遠い異国からやってきて、日本のを愛し、日本のために力を尽くしてくれたことが、選手や幅広い国民にも伝わっていたのではないかと思います。

 さて、7月30日放送の「アサザイ 今日の1社」では、日本人以上に日本を愛する、いちごグループホールディングス代表執行役会長のスコット・キャロン様にお越しいただきました!
 日本における総合不動産関連サービス、そしてクリーンエネルギーというフィールドで活躍する同社を引っ張るキャロン氏。12分ほどの短い放送の中でも、リスナーの皆様に伝わったものがあるのではないでしょうか?

 インタビュアーの井上哲男から取材後記が届きましたので、是非お読みいただきたいと思います♪

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取材後記

いちごグループホールディングス(2337)(ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表執行役会長のスコット・キャロン様

 

「スコット・キャロンについて」

 
▼日本と、「古き良きもの」へのリスペクト

 予め断りを入れる。同社は東証33業種分類で「サービス」に属するが、関連子会社に投資顧問会社を持つことを井上は知っている。あくまでもこの取材後記は井上の意志により、スコット・キャロン会長、及び、いちごグループホールディングス株式会社について記述するものであり、金融機関の「広告に関する規定」から導かれる「ソーシャルメディアにおける第三者による記載」に該当するものでは断じてない。

 

 放送をお聞きになられた方は、スコット・キャロンがどのくらい日本を愛しているかお分かり頂けたと思う。彼がここまで日本を愛してくれている理由は、言葉の端々から分かる。それは、日本人の気質、国民性、そして、文化だ。ここまで日本を理解し、リスペクトしてくれている人に対して何もしないわけにはいかない。冒頭のディスクレーマーで述べた程度のリスクを賭せないようでは、それこそ、「日本がすたる」というものだ。

 

 スコット・キャロンのインタビューをテレビで見た人、雑誌でインタビューを見た人も多いであろう。しかし、今回ラジオの12分間で彼が語ったことは、彼の考え方を伝えるうえで、それらのマスコミに絶対に負けていないと思う。

 彼はJ-REITの売り込みをひとつもしなかった。「不動産サービス事業」で語ったことは、この国のビルディングが耐震基準をクリアする仕様にすれば、どのくらい、再生して価値が上昇するかということであった。大阪の駅前で利便性は高いものの、空室だらけであったビルを再生した結果、満室になったことを本当にうれしそうに語っていた、NYでは歴史のあるビルが「戦前ビル」と呼ばれ人気があるという。これは、欧州でもそうだ。無論欧州の石造りのビルと同列には語れないが、スコットが言いたかったことは、「古き良きものを"もったいない"の心で大切にしてきた日本にビルに対しても同じ気持ちになって欲しい」ということである。

 

 また、市場では「クリーンエネルギー事業」の材料で同社株が大きく上昇したが、これについても同じである。「森林を伐採してクリーンエネルギーを創るような"本末転倒なこと"は絶対にしない」と語った。バブルが弾けて倒産し、長いこと放置されているゴルフ場などで行っているという。ショート・バージョンの放送では流れなかったが、日本がこのクリーンエネルギーを創るのに実は適しているという点で二人の意見は一致した。

 
▼「JPX400」を目指して

 同社は今、「シフトアップ2016」という中期経営計画を立てて事業をまい進させている。その中に新たに組み込んだのが、2016年8月に発表されるJPX400で採用されることを目指すというものである。

 JPX400に組入れられることに、現在、時価総額の大きい企業は必死になっている。ただ、その理由は、「インデックスに採用されると、インデックス・ファンドの組入れにより購入需要が発生する」とか「同指数の先物が出来れば先物が買われる際に自然と株価も連動する」とか「GPIFも購入対象にしてくれた」というものばかりである。

 

 しかし、それは違う。スコットが語ったことが真理である。その理由は、「この指標の選別に使われている指標が、株主価値を高めたことの結果であるから」であった。今回の取材後記を書こうと気持ちを固めたのは、そのときだ。 昨年春に行われた「震災義援金セミナー」と10月に行われた「アサザイセミナー」で、私は「3年平均ROEトップ300企業リスト」を配った。その時なぜ配るかの理由を述べた。やっと同じことを話してくれる人に出会えた気がする。

 
▼「笑門来福」

  「一期一会」。彼が一番好きな言葉だ。それは彼が日本に出会ったこと、また、日本が彼に出会ったことも意味しているような気がする。

「有言実行」。もうひとつの彼の好きな言葉だ。それは、彼の経営態度を表しているのかもしれない。

そして、番組でもお話しした「笑門来福」が、今回、彼から私が感じた言葉だ。随分と長いこと、私はこの言葉を忘れていたような気がする。多くの外国人と仕事で絡むことがあった。笑顔もたくさん見た。しかし、本当に心の底から笑っていると感じさせてくれる人といったい何人出会ってきたのかしらと収録を終えて思った。

 

 収録ともスコットとも関係ないが、スコットに会って、12年前に電車の中で会った二人の白人の学生を思い出した。完全にバックパッカーのいでたちで、電車の中で明らかに乗り換えが分からずに手元の路線図を見て、ああでもない、こうでもないと言っているのが気の毒で、下手な英語で話しかけたのである。当時の日本の路線には番号もなく、路線図は漢字であった。乗り換えを教えると、「よくぞ話しかけてくれた」とばかりに、自分達がどのくらい日本が好きなのかを興奮して話し出し、アメリカで買ったという色々な日本の品物を見せてくれた。彼らは大学を卒業したら、日本で働くか、日本とつながりのある企業で働きたいと語ってくれた。

 

 そして、うれしそうにTシャツのそで口をめくったのであるが、そこには「負犬」というタトゥ-があった。外国のタトゥ-屋の店先には滅茶苦茶な漢字リストがある。その中から意味も分からずに、気に入った形のタトゥ-を入れることは珍しくない。店員だって意味は分からないのだから。。。

 もうひとりの腕には「台所」の漢字が堂々と彫られていた。彼らも意味を聞かなかったので私も何も言わなかったが、何かふさわしくない言葉が彫られていることは分かっていたのだろうか、私に「これは意味も分からないで入れたけど、日本語を勉強して気に入った漢字ができたら、もう片方の腕に彫る」と言っていた。くったくのない明るい、弾けるような笑顔を見たのはスコットに会うまでは、彼らが最後だったかもしれない。もし、読者の周りに、30歳をちょっと過ぎた米国人で、「負犬」か「台所」のタトゥ-を二の腕に入れてよく笑う人がいたら、その時の青年かもしれない。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?

 「JPX400」とは、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成することを企図した、新しい株価指数です。ROEや営業利益などが定量的な評価尺度になっています。

 今回は特に、放送をお聴きでない方は、是非オンデマンドでお聴きいただきたいですね。
 スコット・キャロン会長の肉声が、井上哲男が伝えたかったことが一番伝わるかと思います。

 また来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■いちごグループホールディングス ウェブサイト
■東京証券取引所 JPX日経インデックス400

代表執行役会長のスコット・キャロン様と。
代表執行役会長のスコット・キャロン様と。