5月21日放送「今日の1社」アジュバンコスメジャパン(4929)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014/05/21(水) 13:26 今日の1社担当
  「アサザイ 今日の1社」では、これまでにも何社か化粧品関連の企業をご紹介してまいりました。
 5月21日放送では、また1社、個性ある化粧品メーカーをご紹介することができました。神戸市を拠点に、サロンを通じた自然派のスキンケア・ヘアケア用品の販売を行う、アジュバンコスメジャパン(4929・東証一部)です!

 神戸市にはいくつか化粧品メーカーが本社を置いていますが、アジュバンコスメジャパンもキラリと光る1社です。同社は2012年12月に東証二部上場したのち、2013年12月に東証一部指定を受けています♪

 今回は井上哲男インタビューに、取締役管理本部長の中川秀男様がお答えいただきました。
 あらためて井上哲男より取材後記が届いていますので、こちらも是非お読みくださいっ!

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取材後記

アジュバンコスメジャパン(4929)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は取締役管理本部長の中川秀男様

 

「気遣い」

 
▼謙虚な姿勢と、好調な数字

 スタジオに入って行くと、旅行用のキャリーバッグ、いわゆる"コロコロ"を持ったお二人がニコニコと迎えてくださった。中川取締役と収録に立会われたIR課長の若槻様だ。聞けば2日前から東京にいらしていたという。

 とにかく謙虚な会社である。決算説明会資料を見ても、何も威張らず淡々と業績、取り巻く環境、その方向性が書かれている。そして、中川取締役も至って謙虚な方である。

 

 なので、私が書く。

 一昨年12月に東証2部に上場して、その1年後に東証1部にスピード昇格した。11期連続で売上高が伸び、前期も3利益ともに過去最高を記録し、今期も売上、3利益ともに過去最高更新を見込んでいる。売上高利益率は、営業利益率、経常利益率ともに20%超えの状態を記録している。

 資本利益率も極めて高い。ROEの3期累計(平均)は14.55%。これは全社中372位とおよそ上位10%の位置になる。化学の中では211社中、7位。ROAはもっとすごい。3期累計(平均)でえ19.72%、これは全社で92位、化学の中では堂々の2位である。前期、借入金を返済し、無借金となって財務健全性を高めたが、このROE、ROAの数字を見ていると借金を返している場合ではないような気さえする。まだまだある。3期の配当性向は25.2%。安定的な配当率をキープし、これにROEを掛け合わせたDOEは3.7%とこれまた高い数字になる。

 
▼「一番最初の約束」と、「夢」

 いきなり興奮した書き出しとなったが、同社は創業時から一貫して「糖」、「ミネラル」にこだわり、「オイル」、「アルコール」という肌、髪のトラブルとなる可能性のあるものを一切排除した製品を開発、出荷することにただ全力を注いできた。

 スキンケア商品とヘアケア商品(シャンプー、リンスなど)が主力商品であるが、同社の商品は一般の薬局、化粧品店、量販店、インターネット販売、通信販売などでは売っていない。全国に6500店ほど登録している美容室、理容室やエステティック・サロンにおける対面販売しか行っていない。もう一つ条件がある。それはちゃんとカウンセリングを行うことである。この代理店はここ数年、毎年50~60社増えている。「なぜ、量販店や通信販売をしないのですか?」と尋ねたところ、刺さる言葉が返ってきた。「それが、一番最初にサロンさんにお約束したことだからです。」同社の決算日は3月末日ではなく、20日である。これもサロンさんが20日締めのところが多くそれに配慮したからだそうだ。

 

 同社にはサロン向けのMAPシステムというものがある。サロンの経営管理システム的なもので分析や帳票出力も可能なものである。私はこれを販売目的で行っていると思っていたが、後日、資料を見ていて気がついた。これをサロンに無償で提供しているのである。申し訳ないと思った。知っていれば放送で思い切り強調したのにと悔やまれた。無論、データの解析は同社にとっても有益なことであろう。商品の売れ行き状態や顧客の傾向も分かるのだから。しかし、これはあくまでも私の考えであるという断りを入れる。なぜなら、中川取締役が言われたのは「サロンはどこも時間も遅くまで働いていますし、このシステムで効率性が向上して経営状態も良くなって、従業員の方の待遇も上がって欲しいのです」のひとことであったのだから。

 

 その取締役が話していて嬉しそうに子供のような目をされたのが2ヶ所あった。一つはサロンで成分に十分こだわった同社の「ヘアカラー剤」が使われるようになるということ。これは「業務用」と呼ばれ、販売するシャンプーやリンスをその場で使うのとは意味合いが違うのだ。もう一つは今年1月香港に出店したことであった。香港はサロンではなく店舗だ。「本当は直接売りもしたいのですが、約束ですから国内ではしません。でもやはり夢でしたから」。「業務用」と「直接の店舗売り」その2つの夢が叶ったことを本当に、嬉しそうに、照れくさそうに話していたのが印象的であった。香港の動向はこれから要注目である。香港だけでなく、特に中国で日本のスキンケア商品、シャンプーに対する人気は高い。習近平国家主席がその座に着いたときに奥さんが日本の化粧品メーカーを使っていることが話題になったが、体、肌に直接つけるものの日本製品に対する評価と信頼は極めて同国で高い。アジュバンコスメジャパンは香港で5~10店舗の出店をこれから考えているという。同社のアジア戦略が静かに始まったと思われる。

 
▼「気遣い」を感じる

 収録が終わると、お二人は来たときと同じ笑顔でコロコロを転がして神戸へと帰って行かれた。

 帰られてから、ふと、私が優れた経営指標を並び立てたのは余計なことだったのかしらとも思った。世の中には、実直に実業をされて、気がついたら、(というか多くの場合は企業自身が気づいていないのであるが)、相対的にすごい経営指標となっていたという会社がある。同社はその典型である。しかし、この相対的な経営指標を出し続けることも「アサザイ」の使命だと思う。

 経営指標等の分析は投資家のためであり、そして、企業自身のためである。アジュバンさんはそんなことはないが、量(売上高)、質(利益率等)の追うべき方を間違えた中期経営計画を立てないため、自らの同業他社比の相対的な強弱ポイントを知るため、やはり指標分析は必要だと思う。

 同社の決算説明会資料がとても謙虚だと書いた。しかし、上質な紙を使い、A3紙を2つ折りにして、きちんとホチキスで中綴じ製本されている。このような気遣いを見ると、同社の製品も同じように細心の気遣いがされているであろうことが感じられる。

 私は神戸に対して一ついつも感心していることがある。それは街にゴミが落ちていないということである。無論私の印象でしかないが、大都市で一番ゴミが落ちていない街だと思っている。同社の製品に対する気遣い、サロンに対する気遣いを見ていると、あの街にゴミが落ちていない理由が分かるような気がする。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?

 社名には「理念をこめるもの」と「事業内容を表すもの」の2種類があります。
 たとえば当番組スポンサー・「プロネクサス」は前者(プロフェッショナル+絆など)、当ラジオ局「日経ラジオ社」は後者ですね。

 「アジュバンコスメジャパン」の「アジュバン(adjuvant)」とは、"助けとなるもの"または"触媒"といった意味があります。
 「美しく健やかでありたいと願うお客様はもちろん、縁あって当社とつながった全ての人々にプラスの影響を与え、力になりたい」という理念がこめられているそうです。
 同社の社名は理念と、事業内容の両方をあらわしているわけですね♪

 お客様やサロンの役に立ちたいという「気遣い」のDNAは、社名にも刻まれていました。

 それでは、また来週の「今日の1社」もお楽しみにっ!

(関連リンク集)
■アジュバンコスメジャパン IR情報
■アジュバンコスメジャパン 平成26年3月期決算説明会動画配信
■アジュバンコスメジャパン 平成26年3月期決算説明会資料(PDF)

取締役管理本部長の中川様、総務部IR課の若槻様と。
取締役管理本部長の中川様、総務部IR課の若槻様と。

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