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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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「アサザイ」リスナーの皆様の多くは、ご自身かご親族・ご友人の結婚式に出席されたことがおありかと思います。
 「今日の1社担当」のわたくしはセレモニー的なものが苦手・・・と思いつつも、自分の結婚式を実際にやってみると、祝福を受けてたいへん幸せな気持ちになりましたし、また友人の結婚式では、ついつい目頭が熱くなってしまいます。

 さて、5月14日放送の「アサザイ 今日の1社」は、そんな幸せを共有する「結婚式」をサポートする、その名も「みんなのウェディング」(3685・マザーズ)です!

 みんなのウェディングは、結婚式場選びの口コミサイトなど、「結婚」を支援するサービスを提供しています。元々はディー・エヌ・エーの新規事業として2008年2月にスタートし、2014年3月には、東証マザーズに非常に短期間での上場を果たしています♪

 今回ご出演いただいたのは、代表取締役社長の飯尾慶介様です。なぜ同社のサービスが支持されているのか、わかりやすく具体的にお話をいただきました。
 井上哲男からも熱い取材後記が届いていますので、どうぞお読みくださいっ!

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取材後記

みんなのウェディング(3685)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の飯尾慶介様

 

「結婚式をなぜ挙げるか知っていますか?」

 
▼スピード上場と、好調な業績

 大学生のときに春休みを利用して2ヶ月近く欧州各国に行ったことがある。大学の主催であったこともありとにかく料金が格安であった。修道院かユースホステルに泊まり、各地の大学に行き、文化に触れた。バチカンの修道院に泊まり、引率してくれていたスペイン人の神父様とお酒を飲んでいたときに神父様は表題の質問をした。私は答えられなかったが、神父様の口から出た答えは意外なものであった。

 

 オープニング・ベルにウェディングドレス。3月25日の上場時の「みんなのウェディング」の演出は効果絶大で多くのマスコミに取り上げられた。ただし、その紹介は「結婚式場選びの口コミサイトの運営」とだけ述べられていたことを私としては少し残念に思う。

 

 若さとやる気に満ちた会社である。沿革を簡単に書くと、飯尾社長がDeNAに入社したのが2006年。社長室でこの事業の立ち上げに携わり、2008年2月に結婚式場・結婚準備の口コミサイト「みんなのウェディング」の提供を開始した。会社としては2010年10月に設立され、昨年1月にはベネッセコーポレーションと業務提携を行って授かり婚専門サイト「みんなのマタニティウェディング」の提供を開始し、会社設立から3年5ヶ月でスピード上場を果たした。

 業績も設立2年目に黒字となり、昨年9月期には売上高が10億円を突破。経常利益は175百万円、最終利益も109百万円となり、そこから計算される利益率はそれぞれ17.3%、10.8%といきなり高い数字となった。今期(2014年9月期)の見込みは売上高が前期比62%増の1,636百万円、経常利益は181%増の492百万円、最終利益も180%増の305百万円を見込んでいる。また、現在は情報掲載料のみが収益源であるが、来期からは施設見学や資料請求に対するアクション課金が入ることから11月の決算発表で来期以降の収益を会社自身がどのように見込むのかが今から楽しみである。

 
▼5つのサービス

 現在運営されているサービスは5つ。口コミサイトの「みんなのウェディング」は、投稿される口コミに300文字以上という制限を行っている。そのため、ひとことだけの感想や、冷やかし投稿ではなく、これから結婚式を考えている人に「このことをきちんと伝えたい」という想いを持った人がレポートをしてくれている。また、閲覧には会員登録が必要であるが、実際にかかった結婚式の費用明細の写真も載せている。他社の、いわゆる結婚式場の紹介サイトとの違いとしては、決して式場のお奨めサイトではなく、ユーザーファーストの視点から、式場にとっていいことばかりでなく、本音・苦言も載せていることが挙げられる。これについては、式場からの口コミに対するフィードバックもある。

 

 また、「ふたりのウェディング」は少人数スタイル(スモール婚)の情報を伝えるサービスであり、「みんなのファミリーウェディング」はベネッセとの提携サービスで、授かり婚カップル向けやファミリー婚向けの式場選びに関するサービスを行っている。実際に相談したくなったら「みんなのウェディング相談デスク」の出番である。予約をしてから店舗でプロのアドバイザーの話を無料で聞くことができる。店舗は銀座の「みんなのウェディング 銀座店」と全国7つの「イオンウェディング」である。

 最後に紹介する「Brideal」(ブライディール)は、"結婚式にもっと自由を!"をコンセプトに、さまざまに趣向を凝らした全く新しい結婚式の形を提案している。例を挙げると、「レゴブロックに囲まれた結婚式」、映画館で挙げる「シネ婚映画祭」、「東京タワー結婚式」、「横浜赤レンガでの結婚式」、「名古屋迎賓館での結婚式」などである。

 
▼応援したい理由

 私がこの会社を応援したいと思う理由は2つある。ひとつはアンケート調査とその分析、また、レポートをきちんと行っているという点である。現在、入籍する約半数のカップルが結婚式を挙げないという。その理由は過去3年間のアンケート結果は全て同じで、①お金がないという費用・経済面での理由、②妊娠している・子供がいる、③セレモニー的な行為(お仕着せ的なところ)が嫌だ、である。逆説的に言えば、これらの問題が解決されれば結婚式を挙げるカップルが増えるのである。事実、回答者の4割の人が結婚式の予定を「将来的にはあるかもしれない」と答えている。5つのサービスはこれに呼応したものである。

 

 それでは、なぜそこまで「ナシ婚をナシにすること」にこだわるのか。それはこの会社が「みんなの願いを一緒に実現する会社」というスローガンに徹底的にこだわっているからである。これが応援したい2つめの理由だ。このスローガンは会社を作ったときに社員で合宿をして全員で決めたという。この「みんな」は社員であり、サイトの利用者であり、「将来的にはあるかもしれない」と答えた4割の人「みんな」である。

 
▼『みんなの』幸せのために

 以前も書いたが、企業はなぜ存在するのか。それは他者の幸せのためである。他者がその企業がアウトプットするものを利用して幸せに思い、その金銭的な対価が企業に払われてその従業員も株主も幸せになる。この「Win-Win」を目指さない企業に存在価値はない。「何をぬるいことを言っている」と思われるかもしれないが、このことは「アサザイ」で私が嫌というほど企業から学ばされたことであり、生涯、曲げる気は無い。そして、もう一つ企業が他者から受ける対価は「ありがとう」という言葉である。この会社はサービスを利用して結婚式を挙げた人からの「ありがとう」のひとことを受けるために、真剣な努力をしている会社である。

 そしてそこには、「結婚式はできれば挙げた方が良い、一生の素晴らしい思い出が得られるから」という強い信念がある。挙げない理由が①~③なのであれば、その解決策を一緒に考えましょう。それは乗り越えられる理由ですという信念だ。

 「みんなの願いを一緒に実現する会社」というスローガンは、「みんなの願いを『みんな』で一緒に実現する会社」と私には響く。ここで加えた『みんな』には、無論、口コミに投稿してくれる人も含まれる。当初は前者の「みんな」だった人が、このサイトを通じて結婚式を挙げた結果、後者の『みんな』になるのである。

 

 放送で全部は流れなかったが、社長は将来のビジョンとして、ウェディング領域にとどまらずに、女性のライフステージに沿ったビジネスを展開したいと言った。たとえば出産、育児、住宅購入、果ては介護、葬儀までである。各ライフステージ領域において、よりよい生活を「みんな」と実現できる社会を創り上げたいと真剣に語っていた。ここで「介護」・「葬儀」という言葉まで踏み込んでいることが誠実さだと思う。明るいこと、楽しいことだけでなく、ライフステージに企業としてつき合うと言う以上、ここまで言わなくてはいけないのだ。

 
▼「結婚式の意義と大切さ」を、伝える

 社長は放送の冒頭で「結婚式の意義と大切さを伝えたい」と言った。今日の放送で最も私に刺さった言葉である。この言葉をこの会社に裏切って欲しくない。

 冒頭の続きであるが、神父様の答えは、「それは『No』を言わせるためなのです」であった。まだ戸籍がなかった時代、出生も、埋葬も、婚姻も全て教会で行われ、その事実を神父様が記すことが戸籍であった。新郎、新婦、それぞれに神父様は「誓うかどうか」を尋ねる。政略結婚やお金のための結婚が横行した時代であったが、神の前で嘘はつけない。もし、新婦が「No」を言った瞬間、神父様は新婦の保護にまわり、記すのである。「神の前で『No』と言いました」、と。これはその地域の教会全てに配られ、一度神の前で「No」と言った同じカップルの結婚は認められなかったのである。

 その10年後、私は母校の横にある大きな教会でなく、大学構内の神父様達の住まいの中にある小さな聖堂で結婚式を挙げた。無論、目の前にはその神父様が居た。そこで挙げるためには3ヶ月くらいカップルで講座に通い、神父様と面談を繰り返さなくてはならなかった。引用する聖書の言葉も、歌う聖歌も自分で選び、パンフレットも自分達で作った。そして、その3ヶ月で学んだことが一番自分の中で活きていると感じるのは、実は子育ての際である。

 

 結婚式をはじめ、同社が将来のビジョンとして掲げたライフステージに関わるものは全て「セレモニー」である。しかし、結婚式を挙げない理由の3番目も、哀しいかな、「セレモニー的な行為(お仕着せ的なところ)が嫌」なのである。

セレモニーの語源はラテン語で「聖なる儀式・しきたり」であり、避けては通れないということである。「みんなのウェディング」がきちんと「意義と大切さを伝える」かどうか、これからもそのホームページを見ていきたいと思う。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 放送を聴きまして、飯尾社長のお話に、たいへん爽やかな印象を受けました。

 DeNAという若い企業からさらにスピンアウトして、新たな成長をしている、みんなのウェディング。
 『みんなの』願いを実現する後押しを、今後も続けてくれることを期待したいと思います♪

(関連リンク集)
■みんなのウェディング サービスサイト
■みんなのウェディング コーポレートサイト

代表取締役社長の飯尾慶介様、同社の皆様と。
代表取締役社長の飯尾慶介様、同社の皆様と。