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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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これまで、「アサザイ 今日の1社」にご出演いただいた企業のうち、一定割合が「市場変更」という上場企業としてのステップアップを果たしています。これは決してそれで企業が選定されているわけではないのですが、経営トップがIRに積極的であることなど、間接的な必然性があるように感じています。
 そんな前向きな企業を応援していくことが、「アサザイ 今日の1社」の目的のひとつでもあります。

 さて、4月30日放送の「今日の1社」では、2014年1月22日に東証マザーズから東証一部に市場変更を果たした、システムインテグレータ(3826・東証一部) 代表取締役社長の梅田弘之様にお越しいただきました!
 同社の出演は、2012年10月、2013年10月に続いて3回目ですが、東証一部になってからは初めてとなります。

 その成長を「アサザイ」を通じて見守ってきた井上哲男の目に、システムインテグレータの「いま」はどう映ったのか? 取材後記をお読みください!

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取材後記

システムインテグレータ(3826)(東証一部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の梅田弘之様

 

「13分割時計」

 
▼ROE、トップ300入り

 まずはシステムインテグレータを「東証第一部」と紹介できることを嬉しく思う。

「シスイン(の業績が)が来てる!」と感じて3年。リーマンショックで企業が軒並み設備投資を抑えたこともあり、受託開発ソフトウェア業界、組込ソフトウェア業界だけでなく、パッケージソフトウェア業界も売上げを大きく落とし厳しい状況となったが、その後、設備投資が緩やかに戻るにつれ、これらの業種の売上高も同様に戻っていったが、そこにはある規則性があった。それは、企業の設備投資が「必要な、そして優れたものから」行われたということである。いち早く同社の売上げが回復基調を辿ったことはこの条件に合致したものと思ってよい。

 

 システムインテグレータが2月の本決算を発表した。それによると3期連続で売上高、3つの利益共に最高を更新し、今期も全項目での4期連続の更新を見込んでいる。

 番組の中でも紹介したが、JPXの採用基準である3期平均のROEはついに15.3%にまで上昇した。これにより、比較対象である金融4業種を除く3300社余りの中で291位とTOP300入りを果たしたことになる。これに3期平均の配当性向を掛け合わせた"真の配当性向"であるDOEは3.8%にまで上昇し、こちらも233位と同じくTOP300入りを果たした。

 昨年11月のアサザイセミナーにおいてROEのTOP300銘柄のリストを配布して解説を行ったが、そのなかで「シスインは次の決算発表でランクインするであろう」と述べたことが現実となり私も非常に嬉しく思う。


▼主力4ソフトの状況 

 主力の4ソフトを紹介すると、まずは「SI Web Shopping」。Eコマースという言葉が無かった18年前に売り出されて1100もの有名企業のインターネット販売を支えてきたソフトで、前々期に発売16年目にして前期比で50%も売上げを伸ばした化け物ソフトであるが、前期も9%売上げを伸ばしている。続いて、会計、人事、給与、販売、製造などの企業の基幹業務をつかさどる統合型機関業務システム(ERP)の「GRANDIT」。こちらはコンソーシアム形式であるが、昨年は2回目のアワードを受賞。つまり、他社も含んだコンソーシアムの中で、最も売上げに貢献したと考えてよい。そして、これによって培ったERPに関するノウハウを活かして開発された総合プロジェクト管理システムである「SI Object Browser PM」。これは4つのソフトの中で最も新しく上市されたものであるが、前期は売上高が30%増加。利益率も高い製品であることからこれからますます成長が楽しみな製品である。そして、システムエンジニアであれば皆知っている開発支援ソフトの「SI Object Browser」。こちらは前期並みの売上高となったが極めて高い利益率は健在である。

 

 そして、現在クラウドを利用したO2O「モバポタ」、文書作成、表計算、画像編集などのアプリケーション設計支援ツールの「SI Object Browser Designer」など次の柱となる製品群も徐々に世に出始めている。クラウドを利用したストックビジネスの進捗が、4本柱の売上げとともに次のカタリストである。また、証券会館で行われた決算説明会において、梅田社長は「今期、『SI Web Shopping』の改訂版作成に着手する」と述べた。2016年2月期に終える中期経営計画「Progress2013」の先を見据えた戦略のため、今期は開発にリソースを割く意図が今期の決算見込みからも窺える。

 
▼「時間を奪うのではなく、与える」

 これからクラウドの利用を活発化させても、新たなソフトウェアを上市しても、変わらないものが一つある。それは同社のロゴマーク「13分割時計」に込められた想いである。その時計では12時と0時の間にまだ1時間の時間が示されている。

 「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」。今までのソフトウェアも、システムエンジニア、それぞれの業務管理者、オンラインショッピングの担当者達の業務負担を軽減し、時間を与えるためのものである。これが"時間を奪う"ゲームソフトなどとの決定的な違いである。

 

 1月22日に東証一部に市場昇格を果たした。ここ数年の業績、業界平均の倍以上に上昇させたROE、熱心であったIR活動、株主還元。それらが結実したものであるが、同社にとってはまだまだ入り口に立った状態であり、これから求められるものも多い。東証一部の中で企業価値(時価総額)を大きくするために、機関投資家、海外投資家などに対してのアピールもそうである。そのことは結果的にこれまで応援してきた個人投資家に報いることにもなる。同社は私の業界比較数値などを熱心に聴き、またIR資料にそれを取り入れて開示してきた。それは、きちんと自社のバリュエーションを理解することの重要さを認識してきたということであり、その姿勢は必ずや機関投資家、海外投資家にも伝わると信じている。私はずっと同社の業界比較値を取り続け、提言し続けるつもりだ。同社はマザーズ上場時、そして今年の1月22日と2回東証のオープニングベルを叩いたが、次に叩くのは海外の証券取引所の鐘だとさえ私は思っている。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 新規上場や市場変更の際、「これはゴールではなく・・・」というフレーズがよく使われます。
 システムインテグレータについてはもはやいうまでもないことで、今後のさらなる成長が期待されているところかと思います♪

 なお、システムインテグレータは、4月19日(土)の「アサザイ・IRスペシャルセミナー」にも参加いただきました!
 大里希世アナウンサーをパーソナリティに配した梅田社長のプレゼンテーションをオンデマンドで配信しておりますので、是非お聴きくださいっ!! リンクは下記に記載しておきます♪

(関連リンク集)
■システムインテグレータ IR情報
■2014年4月19日「アサザイ・IRスペシャルセミナー」オンデマンド配信 ※是非お聴きください!
■「アサザイ 今日の1社」2012年10月24日 システムインテグレータの取材後記
■「アサザイ 今日の1社」2013年10月23日 システムインテグレータの取材後記

代表取締役社長の梅田様、取締役管理本部長の山田様と。
代表取締役社長の梅田様、取締役管理本部長の山田様と。