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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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一昔前に比べて、「テレビ会議」「ウェブ会議」という言葉が一般的になってきました。当初は大掛かりなシステムという印象が強かったのですが、現在ではかなりコンパクトに利用できるようになってきています。

 「テレビ会議」「ウェブ会議」または「電話会議」では海外企業が日本にも進出してきているのですが、3月26日放送の「アサザイ 今日の1社」にご出演いただいたブイキューブ(3681・東証マザーズ)は、この分野における日本企業の雄です!
 日本国内のテレビ会議・ウェブ会議などのクラウド市場において国内No.1のシェアを有し、さらには海外売上高も伸長させているのです♪

 井上哲男インタビューに答えていただいたのは、代表取締役社長の間下直晃様です。
 オンデマンドとあわせて、取材後記もどうぞお読みくださいっ!

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取材後記

ブイキューブ(3681)東証マザーズ

ラジオNIKKEIで収録。お相手は代表取締役社長の間下直晃様

 

「投資家の気づかない快挙」

 
▼フレッシュかつ確実な、上場

 若い優秀な社長であることは間違いない。昨年12月にマザーズに上場した際にも36歳のフレッシュさが伝えられたが、会社の設立は間下社長が慶応義塾大学在学中の21歳のときで15年もの歴史がある。慶応義塾が初めて学生のベンチャー企業に資本を入れたことが話題となったが、今回上場を果たし、その足跡と業績を見て、まさに成長路線を確実な状態にしてからの上場姿勢に強く感銘を受けた。ここ3年間の情報通信業の上場企業を見ていると、総じてこれからの業績拡大の道筋をつけた状態で上場する企業、きちんと上場することの意義を理解した経営者が多いことを感じる。昔のITバブルのときとは制度面も含めて大きく変わったことを投資家は理解して欲しい。否、私が言うまでもなく、個人投資家の人気を集めている状況をみると、きちんとそのことは伝わっているのかもしれない。

 それでは、投資家の気づいていない同社の快挙については後ほど述べよう。

 
▼伸長する「ウェブ会議」

  「アジアナンバーワンのビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」を掲げている同社の売上げで最もウェイトを占めるのはウェブ会議(V-CUBEミーティング)である。このウェブ会議は、番組でも紹介したが、場所が会議室に限られ、機材も高く、一回あたりの料金も高い「テレビ会議」と無料のビデオチャットの中間に位置するものである。タブレットの活用で会議に参加する場所も特定されない。画面の半分を資料に用いることも可能である。また、テレビ/ウェブ会議も有効だ。日本の会議室に経営者陣が居て、タブレットを持った人間が海外の工場でできたばかりの試作品を実際に見せることも可能であろう。無料のビデオチャットはあくまでも個人レベルのコミュニケーション・ツールであって企業が求めるセキュリティーのレベルでもなく、また、フリーのツールにはそれを求めることもできない。「ウェブ会議」は費用の面からも、また、効用の面からも企業が求めるちょうど良い水準なのである。

 

 一部のアナリストが同社の「ウェブ会議」が決して参入障壁が高くないことを危惧していると聞いたことがある。確かにそのことは"事実"かもしれない。しかし、そのアナリストは"もっと大切な事実"を見逃している。それは、ブイキューブが、アナリストの云う「参入障壁の高くない分野」において日本国内で6年連続トップシェアを誇り、急激にアジアでも売上げを伸ばしているという事実が何を意味しているのかということである。

 
▼アジアでの"快挙"

 日本企業とそのアジアにおける工場のウェブ会議は国内売上げにカウントされることから、アジアでの売上げは現地の政府機関、公的機関、企業の売上げである。その海外売上高比率は前々期(2012年12月期)の2.6%が前期(2013年12月期)には9.5%にまで上昇し、今期は20%程度にまで伸びる見込みである。そして、売上高営業利益率も前々期の5.2%が前期に10.9%と二桁に乗せ、今期見込みは15.3%と情報通信業の中でもかなり高い水準にまで跳ね上がる見込みとなっている。前述した上場時の「業績拡大の道筋」とはこのことなのだが、なぜ、ここまで業績が拡大できるかといえば、それは同社が他社と違いケーブルなどのインフラに資金も投じて整備した結果、他社を寄せつけないウェブ会議の安定性、確実性が認められているからなのである。

 

 半導体、PC、ソフトウェアなど情報通信に関わるハード、ソフトともに、例えそれが日本で生まれたものであっても、世界との競合、シェア争い、スタンダード化という点で勝てたものはない。ブイキューブは後から出て行ったアジアにおいて、それを成し遂げたのである。これが同社の"快挙"なのだ。

 
▼IRへの姿勢

 話は変わるが、私は同社の会社説明資料や決算説明資料が好きである。無駄がなく、きちんと主旨、目指す方向性、経営指標がまとまっている。ビジュアル的にも見やすい。外注なのか内製なのかと聞いたところ、なんと社長自らが作成しているという。「自分が話す、伝えるための資料は自分で作りたい」と言われた。「アサザイ」出演企業で同じことを言われた社長がもう一人いた。アールテック・ウエノの眞島社長である。ふと、気付いたが、お二人とも慶応義塾大学出身である。両社の好調な業績とIRに対する姿勢は、社長の「独立自尊の精神」がバックボーンとしてあるのだろうか。そういえば、名字も似ている。。。

 

 「アサザイ」を始めて、もうすぐ2年になるが、ひとつ確実に変わったのが、東南アジアを訪問したい理由である。ファンドマネージャーとして資金の出し手に対する運用説明のために東南アジアを訪問していたときとは違い、今は「アサザイ」で紹介した企業の東南アジアにおける事業活動を見に行きたくてしょうがないのである。アジアでの業績拡大のため、間下社長は遂にシンガポールに移住したという。近い将来、シンガポールでの再会を約束して別れたが、必ず果たしたいと思う。その際には、弊社がブイキューブの「V-CUBEセミナー」を利用した場合の話がしたい。

「B2B2C」=「1対N対N」。2番目の「B」と「N」が弊社で、3番目の「C」と「N」は無論、皆さん投資家である。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 用意された言葉ではなく、自分の言葉で投資家に語りかける。これはやはり、それを聴く側にもメッセージが届くのではないでしょうか。
 間下社長と井上哲男がシンガポールで再会されるとき、社長の言葉できっと語られるであろう、ブイキューブのさらなる成長の道筋が楽しみです。

 それでは来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク)
■ブイキューブ IR情報


代表取締役社長の間下直晃様と。
代表取締役社長の間下直晃様と。