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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 「アサザイ 今日の1社」では、これまでに「日本発」「メイド・イン・ジャパン」の企業をご紹介してきました。取材後記でも、「日本の技術」を磨く企業への井上哲男の応援メッセージをお届けしてきました♪
 さて、ハンバーガーというと米国!のイメージですが、ここにも「日本発」の企業が確固たる地位を築いています。11月の20日放送「アサザイ 今日の1社」でご出演いただきました、モスフードサービス(8153・東証一部)です。

 かつてテリヤキバーガーの大ヒットで注目を集め、その後もこだわりのハンバーガーづくりで支持されるモスフードサービス。代表取締役社長 櫻田厚さまとのインタビューを終え、井上哲男の目には同社の施策はどう映ったのか? 取材後記をお読みください!

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取材後記

モスフードサービス(8153)(東証一部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の櫻田厚さま。

 

「日の丸飛行隊」

 

▼上位独占、ハンバーガー総選挙
 テレビ朝日系「お願い!ランキング ゴールド」の「1万人が選ぶ第1回ハンバーガー総選挙」と「食のプロが選ぶ第2回ハンバーガー総選挙」で2冠に輝いたモスバーガー。アサザイには亀田製菓、リンガーハットに続いて3社目の同番組第1位企業の登場である。

 しかしモスバーガーは強かった。1万人が選ぶ第1回ハンバーガー総選挙においては上位6位中、5品をモスバーガーが占めた。独占状態である。

 そのモスバーガーが現在、力を入れているのが、定番商品の進化、朝食やティータイムなどの時間帯別訴求、そして海外戦略である。「6位中、5品を占めているのであるから"進化"しなくてもいいのでは?」という気もするが、(モスバーガーの)ミートソースの原材料や(ホットドッグ)ソーセージの増量など、常に気を遣っている。この「進化を意識する取り組み」が同社をここまでのステ-タスに押し上げたと言って過言ではないかもしれない。

 

▼"進化"する味
 その"進化"は復刻メニューでも分かる。昨年秋に同店が「ライスバーガー焼肉」と「ライスバーガーきんぴらごぼう」の販売を終えたとき、我が家には衝撃が走ったが、現在、期間限定で「きんぴらごぼう」が「彩り野菜のきんぴら」となって販売されている。レンコンのシャキシャキ感はかつての「きんぴらごぼう」には無かったものである。「期間限定の復刻」はよくあることだが、「期間限定の"進化復刻"」をモスバーガーは行っているのである。

 朝食についてもそうである。2009年秋から朝食時間帯限定サービスを行ってきたが、この2月からホットサンドや朝ライスバーガーの提供を始めた。

 

 そして、それらに活かされるのが、社長が自ら出かけて消費者と懇談を行う「タウンミーティング」や株主の声なのである。個人株主数は3万人と同社の人気の高さが分かるが、株主総会に1000人も出席するという。これは凄いことである。

 

▼ハンバーガー草創期
 日本にハンバーガー・チェーンの店が現れたのは1970年の「DOMDOM」が最初である。米国マクドナルドと組む予定であったのだが、出資比率が50%ではなく51%でなくてはイヤだ、と中内功が言い、単独で出店したのである。翌年には日本マクドナルドが、そしてその翌年にはモスバーガーが成増の小さな店で産声を上げた。ケンタッキ-・フライドチキンがオープンしたのもこの頃である。

 当時、私はまだ子供であったが、それまで何も関係のなかった"外国"というものを意識し始めた頃である。それは、今思うに、日本自体がそうであったように思う。「トリスを飲んでハワイに行こう」や「あこがれのハワイ航路(行路ではなく航路というのが凄い)」の時代から、もっと身近な、そして意識しなくてはいけない存在に"外国"がなったのがこの時期である。

 ボーリングブームが起き、ニクソンショックで1ドルは360円から308円になった。ウォーターゲート事件が発覚し、日中共同声明を受けてパンダが贈られた。国内でも、よど号事件など、ナショナリズムと、つきあわなくてはならなくなった外国との"距離感の測りかた"にもがいていた時代の象徴的な事件が度々起きた。また、当時の快挙といえば、札幌五輪で日の丸飛行隊が外国人選手を尻目に表彰台を独占したことである。これらの、良いニュース、悪いニュースが流れるなか、「味なことやるマクドナルド」のCMだけは、何も関係なく、無邪気に米国の食文化に憧憬を抱かせたものである。

 
▼日の丸ハンバーガーが、表彰台に立った日

 そのような時代に米国の食べ物であるハンバーガーは日本で支持されていったのであるが、もし、モスバーガーが無かったら日本のハンバーガーは全部同じ方向を向いてしまったのではなかったかと私は思う。上位6品に1品しか選ばれなかった方向性を、である。海外に行ってもモスバーガー以外は未だに同じベクトルであることがそれを証明しているような気がする。

 

 大手食品メーカーやJR、外資などがこぞって参入したこの業界で、撤退や営業権譲渡が相次ぐなか、独立系で資本も小さかったモスバーガーが日本で2番目の店舗数にまで拡大できた理由は、モスバーガーが当初から日本人の味覚と食に対する意識を信じていたからではないかと私は思う。例え少し待とうとも、少し値段が高くても、日本人に支持されるものを信じ抜いた結果であると・・・。

 外国生まれであるハンバーガーの総選挙で上位を独占したモスバーガー。その姿は私のなかで、札幌五輪における日の丸飛行隊に重なる。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 「モスバーガー」の味には確かに定評があり、使用される食材などにも一定の信頼を確立しているように思います。40年以上にわたって積み重ねてきた日本らしいこだわりが受け入れられているんでしょうね~。

 そんなモスバーガーが上位を占めた「1万人が選ぶ第1回ハンバーガー総選挙」。発表の瞬間には、井上哲男の脳裏には空飛ぶモスバーガーと、北出清五郎アナウンサー(当時)の名実況「飛んだ、決まった!」が流れていたこと、間違いありません。

 また来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■モスフードサービス IR情報
■お願い!ランキングGOLD 1万人が選ぶ第1回ハンバーガー総選挙

代表取締役社長 櫻田厚さまと。
代表取締役社長の櫻田厚さまと。