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外食産業の上場企業の多くは、展開する店舗のうち大半を特定のブランドが占め、企業の代名詞のようになっています。そんな中、なんと140ものマルチブランドを展開する企業が存在します。10月30日放送「アサザイ 今日の1社」に出演したクリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387・東証一部)です!

 同社は、10月22日に東証マザーズから東証一部に市場変更を果たしたばかり。今回は代表取締役社長の岡本晴彦さまにお越しいただき、井上哲男インタビューに答えていただきました。
 早速井上哲男の取材後記をお読みくださいっ!


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取材後記

クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)(東証一部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の岡本晴彦さま。

 

「マルチブランド・マルチロケーション戦略」

 
▼順当な東証一部

 昨年の夏時点で、外食産業を主業とする上場企業のうち、時価総額や売上規模からすると新興市場から東証一部・二部に市場変更してもよいのにと思っていたのが3社あった。日本マクドナルド(2702)(東証ジャスダック・スタンダード)、日本ケンタッキーフライドチキン(9873)(東証二部)、そしてこのクリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)である。3社に共通することは大株主の存在であった。

 

 そのクリエイト・レストランツ・ホールディングスが、昨年9月に三菱商事の保有分全てである629万株(当時の発行株式数の41.1%)を買い付け、このうち、479万株を償却して残りの150万株を自己株式として保有するというニュースを聞いたとき、「ああこれでクリエイト・レストランツ・ホールディングスは上に行くのだな」と確信した。また、同主旨の観測レポート(売り出しと市場変更見込み)も出されていたのだが、今年の7月に自己株式の売却と売り出しが発表されるや株価は大きく下落した。正直、「市場はここまで厳しい評価をするのか」と驚いたものである。そして、それから3ヵ月後の10月15日に東証から東証一部への市場変更が発表された後はTOPIX(インデックス)組み入れを期待した買いが優勢となっている。

何も違和感の無い一連の"大株主から独立して上位市場を目指す教科書的な動き"の中で、売り出し株数の発行済み株式数に対する比率を超えた下落率となっていた8月下旬からの水準はやはりオーバーシュートであったと思っている。今後同じ様なパターンが出てきた場合のケース・スタディとして投資家には覚えていて欲しい。

 無論、業績が悪いのであればこのようなことは言わないが、同社は成長性だけでなく、収益性も高く、2009年2月期、2012年2月期と他の外食産業が非常に厳しい決算を迫られた際にも、売上げが微増または減収の状況下で3利益とも大きく増加した実績を持っている。

 
▼真の"マルチロケーション戦略"

 また、今期についても既に期待された独自色の強い経営が発揮され始めている。SFPダイニング社とイートウォーク社の2社の買収がそうである。「鳥良」、「磯丸水産」のSFPダイニング社は大株主がファンドであったことからイグジットとしてどこの外食企業に売却されるのかが前々から業界では話題に上がっていたのであるが、それを獲得した。また、イートウォーク社はイタリア料理の「AWキッチン」の他、契約農家の野菜しゃぶしゃぶで知られている「やさい家めい」も展開しており六本木ヒルズ店が有名である。この両社の前期の決算を合算すると、売上高が160.6億円、営業利益が13.5億円であり、売上高営業利益率は8.4%となる。因みにクリエイト・レストランツ・ホールディングスの前期の営業利益率は7.3%であり、買収初年度から両社が貢献することもあって今期は3期連続の最終利益の過去最高更新と売上高同利益率の4%台乗せを見込んでいる。

 尚、放送の中でも触れたが、今期の配当見込み(記念配含む)を昨日(10/29)終値で計算した予想配当利回りは2.178%、株主優待(100株)の利回りは1.980%、合計で4.158%となる。

 いままでの同社の戦略は予め集客が見込める好立地に各立地の特性や顧客層を見極めた最適なブランドを配することであった。同社はこれを「マルチブランド・マルチロケーション戦略」と呼んできたが、ここに2社の買収により路面店が加わることになる。路面店と商業地双方のブランドの配置という次のステージでますます「全てが直営店」という強みの部分が発揮されることが期待される。私はそれこそが真の"マルチロケーション戦略"であると思う。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 放送中で岡本社長からもご紹介あったように、外食企業の多くは株主優待を導入しており、同業種への投資にあたっての魅力のひとつとなっています。特にクリエイト・レストランツ・ホールディングスはマルチブランドでたいへん多くの店舗ブランドがありますので、都度選べる楽しみがありますね♪


 また今後の事業展開についても、親会社から独立して今後も独自の舵取りを強めていくであろう、岡本社長の手腕に注目です!

(関連リンク集)
■クリエイト・レストランツ・ホールディングス ブランドポートフォリオ
■クリエイト・レストランツ・ホールディングス 投資家情報
■クリエイト・レストランツ・ホールディングス 株主優待制度

代表取締役社長の岡本晴彦さまと。
代表取締役社長の岡本晴彦さまと。