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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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「アサザイ 今日の1社」には、何社か2回ご出演いただいている企業があります。「今日の1社」で今後の見通しやビジョンなどをインタビューさせていただいて、その後どのように推移しているのか?というのも、やはり気になりますよね~。

 10月23日放送の「今日の1社」は、そんな企業のうちの1社、独立系ソフトハウスのシステムインテグレータ(3826・東証マザーズ)です! 同社代表取締役社長の梅田弘之さまは約1年前、2012年の10月24日に出演されています。
 ラジオNIKKEIのスタジオで井上哲男とふたたび対面しまして、インタビューに答えていただきました。今回もホットな取材後記が届いていますので、どうぞお読みください♪

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取材後記

システムインテグレータ(3826)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の梅田弘之さま。

 

「プレミアム」

 
▼「お手本」となる企業

 アベノミクス相場の始まり以外で、昨年の株式市場について私が強く印象を持ったことが二つある。一つは過去の有価証券報告書により業績の堅調さが確認された企業のIPOが大成功したことと、既上場銘柄で業績がリーマンショック以前を上回っているものの、バリュエーションが割安に放置されていた銘柄がアベノミクス相場よりもずっと前から上昇を始めたことであった。

 丁度1年前に番組に出て頂いたシステムインテグレータもその1社で、放送前から株価は動意づいていたが、放送後3週間で株価はほぼ倍となった。

 

 昨日(10/22)は、7月(第1Qの決算発表)に中間期(第2Q)の上方修正を発表して以来の出来高10万株超となり、今回の番組出演の告知効果が市場で言われていたようであるが、個人投資家に私が伝えたいことは、ホームページから企業分析を行うことができるお手本のような企業であるということである。

 

 実際に同社のホームページから「IR情報」のタグに入り、この10/11付けの「平成26年2月期 第2四半期決算説明会を開催いたしました」の添付資料(以下「説明会資料」)と10/8付けの「平成26年2月期 第2四半期決算短信」(以下「短信」)を見て欲しい。 (事務局注:記事末尾にリンクがあります。)

 「説明会資料」において、同社の歩み、主力4製品と新規製品の説明、ここまでの業績、株主還元などが分かり易く、そして、見やすく記載されている。そして、次に「短信」の「定性的情報」を読んで欲しい。適時開示資料というと敬遠しがちであるが、同社は売上や収益を、事業セグメント別に発表することを止めて、前期から主力4製品とその他の5区分で発表している。これにより、四半期毎の製品別売上推移や製品毎の利益率まで分かるようになっているのである。この2つの資料を定期的に見ることによって、同社の業績をきちんと追うことができる。そして、売上高、3つの利益項目全てが3期連続で最高を更新する確度が高まっていることが容易に推測できるのである。

 
▼IRの使命と、同業他社比較

 プロネクサスの細川執行役員の「IRの使命は二つ。一つはきちんと業績、業況を投資家に伝えること。もう一つはその業績を正しく株価に反映させること」という言葉をこの番組で何度も紹介したが、前半の使命はこの2つの資料で充分に果たされている。

 そして、次にホームページでも、また、「説明会資料」にも書かれている梅田社長の目標株価を見て欲しい。昨年は、年初にまずは年末株価の倍、次に公募価格と定めてクリアしてきた。冒頭に書いた「業績堅調、バリュエーションが割安銘柄の上昇」によるものである。ここまでは、絶対的な目標株価の制定であったといえるが、今期は、同業のPERを意識した相対的なものに変わっている。これについても四半期毎にきちんと同業他社のバリュエーション数値を検証して変更している。

 

 私は個人的に日本の企業のIR活動において投資家への説明で最も欠けている部分はこの、「同業他社との比較(収益性、成長性、バリュエーション)」であると感じている。これを行い、説明資料に載せている企業は非常に稀である。しかし、投資家の琴線に最も触れるのもこの部分であると私は確信している。なぜならば、ヘッジファンドを始めとするファンドがニュートラル戦略やロング・ショート戦略を行う際に、「買い候補」と「売り候補」の選別において同業内での比較を行うケースが多々あることを投資家は知っているからである。

 ご覧になられた方もいらっしゃるかと思うが、今年ある雑誌で行われた「日本で優秀な経営者3人アンケート」の1人に私が梅田社長の名前を挙げたのは、このことを充分に理解したうえで経営を行っているからである。

 また、投資家に会うために株主総会を夜に行い、その後の懇親会では自ら焼いたチーズケーキとお酒を振舞う。株主優待を出身地である新潟のお米に決めて、農法も調べ、農家を決定するまでの過程も開示している。昨年来、数度お会いする機会を得たが、会社の取締役にも、社員さんにも、ご友人にも、誰に対してもその目線の位置とフランクさが変わることは無い。経営者としてだけでなく、1人の人間として同社長は非常に魅力的である。

 
▼最後に、井上分析

 最後に井上分析。このまま今期を終えると3期平均のROEが15%以上にまで上昇する。3期連続の黒字、そしてROEの数字という2つのスクリーニング・フィルターを通過することは、機関投資家や海外投資家に対してのアピールとして大きいと思われる。この3期平均ROE15%というのは全上場企業のうち上位8%くらいに位置する。また、長期のカタリストを挙げるとすれば、「説明会資料」にも書かれている、保守売上、クラウド売上を意味する「ストック売上比率」の上昇である。なぜキヤノンが電気機器の中で強いとされるのか?それは「ストック売上」がもたらす、業績のブレの小ささによるものである。強いソフトの布陣と充分なストック売上比率。両者が揃った際に社長の目標は同業のPERではなく、それにプレミアムを乗せたものになっているはずである。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 また放送中にも井上哲男が高く評価していた同社のIRサイトや説明会資料は、記事末尾にリンクしておきますので、是非お目通しください♪ 
 IRサイトのトップページでは、梅田社長の写真とともlに目標株価、目標とする業界平均PERが掲載されています(※10月23日現在)。梅田社長の目標に向き合う姿勢がよく表れていると思います!

 またどこかの段階で、お話を伺いたいですね~。

■システムインテグレータ IR情報
■2014年2月期 第2四半期決算説明会資料(PDF)
■平成26年2月期 第2四半期決算短信
■株主優待制度スタート 
 ※お米の成長記録も掲載されています。

代表取締役社長 梅田弘之さまと。今回はラジオNIKKEIスタジオ受付にて。
代表取締役社長 梅田弘之さまと。